農業機械など

昨日、農業塾の講義でした。午前1回、午後1回のダブルヘッダーで、スケジュール上、たまたま2回とも私(田中)の回となり、受講生の皆さまはお疲れ様でした。(笑)

さて。農業を始める時には、どうしても機械や設備が必用になってきます。家庭菜園ならまだしも、業としてやって行こうと思いますと、くわや鋤だけで、できるようなものでもありません。

そこで、どんな機械があって、どのくらいのお金がかかるのか、などのお話もしてみました。以下、講義スライドの一部です。

まあ、今や、お金さえ出せば、なんでもあります。すごい時代ですよね。

見てると、特に男性は、何でも欲しくなってしまいますが、本当にキリがありません。

極力、無駄なものは買わないで済むようにしたいものです。

その為には、準備の段階では、なかなか難しいかも知れませんが、それでも、まずは、目指す「農業」ある程度、見据えておく事も大事になってくるかと思います。

農業機械は、汎用性が低いものが多いのです。作物が変わると対応できなくなるものばかりなのです。

「目指す農業」を見据えるというのは、「生き方そのものを見据える」ということなのかも知れません。

それでは。


2019年2月3日リンクURL

農業のいいところ

「農業のいいところ」というお話です。

まず「生き物を育てることができる」という事。

生き物を育てて、それを生業にする商売は、農業、林業、漁業以外だと、ペット関連の業種くらいでしょうか。

次に「自然の中で、自然相手に仕事ができる」事。

最後に「ゼロから商品(作物)を生み出し、販売するまで、全てを自分で行うことができる」という事。

こんな感じでしょうか。

これらを「いいところ」と感じられる方ならば、農業という職業は適しているのかも知れません。

これらが大前提にあって、次に、どんな農業をしたいのか?目指すのか?という話になるのかなと思います。

明日の農業塾の講義では、どんな農業があるのか?それはどんな特徴があって、ぶっちゃけどのくらいの稼ぎになるのか?などについてもお話をします。


2019年2月1日リンクURL

規模拡大ちょっと待って

農業を始めますと、色々な方面から規模拡大への誘惑がやってきます。

うちは、経営農地1.1haで、そのうち、卒業生が使っているのが30a、いちじくが30a、いちごが5a、トマト2a、残りは育苗ハウスや農業塾の実習で使っています。

従って、実質農業経営で使っているのは40aほどになり、規模的には小規模農家の部類かなと思っています。そして、この農業経営と農業塾経営のミックス経営がうちの特徴です。

さて。

規模拡大の話ですが、「資本力がある企業で農業をする」というような場合を除いては、あまりお勧めしません。

今、世の中を見まわしますと「売り上げ何千万円、何億円」という数字が目に留まり、「売上を上げる事」こそが、あたかも良いことのように称賛される傾向があると感じます。

しかし、個人で就農する場合、本当に大切なのは「自身や家族の幸せ」なハズ。これを忘れないで欲しいと思います。

そして、数字で言えば、「農業で売上を拡大しようとすると、おのずと設備投資して規模拡大する必要がでてきます。」

これが1次産業の農業の特徴なのかも知れません。そうすると資金力が大事になってきます。逆に言えば、資金力があれば、売り上げを拡大する事はそれほどハードルが高いものではありません。

それよりも、難しいのは「利益を上げること」

まずは「小さな規模でも利益を最大化する事」に取り組んで欲しいと思います。その上での規模拡大なら、良いかなと思います。

例えば、いちご。

1パック350円で販売するのと700円で販売するのとを比べて、作るのに必要な経費は、おそらく大きく変わることはないでしょう。

当然、農家によって変わりますが、350円で販売する農家もきっと、一生懸命に作っているハズです。

でも、700円で販売できれば利益は単純に倍になります。

ここが考え方の一つの分岐点かも知れません。

350円での販売を前提に生産しようとするとどうしても規模拡大して量で勝負せざるを得なくなります。

一方、700円での販売を前提とすると、350円の場合の半分の生産量で済むことになります。

どちらの方向に行くか。これが問題。

今回のお話は、個人ならば、まずは後者で勝負すべきじゅやないかなということなんです。

ひとつひとつ丁寧に販売する事を考えて欲しいなと思います。

今の時代。日本は益々少子高齢化で人口は減る一方です。そして大量生産型の農業は資本力のある企業にはかないません。まして輸出とかは個人では勝負にならないかも知れません。

だから個人の方には絶対「利益追求型の農業」をお勧めします。

2019年1月31日リンクURL

いちじく農業の特徴

作物選びは生き方選びというお話は、以前、しました。

では、いちじくを選んだ場合、どんな生き方になるのか?少しだけお話をしてみます。

まず、いちじくは、苗から収穫できるようになるまで、早くて2年はかかります。

しかも2年目の収量は100%獲れるわけではありません。だいたい3年目で100%を目指す感じです。そして10年20年と、いちじくの樹と付き合っていくわけです。

そして、収穫期は8月~10月。これ以外の時期は、収穫もなく、比較的ゆるやかな生活になります。逆に言えば収入もなくなります。

収穫期は毎日収穫になります。栽培面積は、収穫期の労働力に合わせて考えると良いでしょう。

季節ごとの労働時間こんな感じです。↑

安定した収入を求めるならば、いちじくと他の作物なのか、いちじくの半農で他の仕事をするのか、組み合わせは考える必要はあると思います。

ようするに結構、極端なんですよね。メリハリが効いているとも言えますね。目一杯働いて、目一杯休むというライフスタイルもありですね。

そして、季節ごとに、樹の様子も結構変化してくれますので飽きる事は少ないかなと思います。

長く農業を続けていく上で、この「飽きる」というのは、意外と大きなポイントなのかなとも思っています。

このあたりは、一人ひとりの性格によるかなとも思いますので、自身で見極めして下さいね。

それでは、今日は少しだけ・・。

2019年1月30日リンクURL

トマトの種まき

1月26日(土)、週末農業塾11期生の生徒さんと一緒に、今シーズンのトマトの種まきを行いました。

今シーズン育てるのは「麗夏」という大玉トマトと「ルネッサンス」という中玉トマトの2種です。

種は1袋540円。およそ15粒~20粒程度入っています。エースクールでは30mのハウス1棟分なので、300苗もあれば十分な量になります。

128穴のセルトレイに、1粒づつ手で蒔いていきます。

ちなみに培土は、サカタのプライムミックス1という種まき専用培土です。

種をまき終えたら、土を被せ、十分に水をやり、更に新聞紙を被せて、育苗用ハウスの電熱温床の上に並べ、20度設定で発芽まで保温します。

ビニールトンネルをかけ、遮光ネットを被せておきます。

この状態で、およそ1週間、発芽を待ちます。

今年は気温の上下が激しいので、特に、温度の上がりすぎには注意して、時には換気もしてやります。上に遮光ネットを被せるのは主には温度上昇の防止の為です。

2019年1月29日リンクURL

ビニールハウスなどの農業施設のお話

今日は、言いたい放題します。

農業は、何かと設備や機械が必要で、お金もかかります。

ビニールハウスなどの農業用施設も結構な金額します。

その為、補助金などもありますが、これが「うまくナイ」と言いたい。

補助金で半額助成されるとします。

一見、「わーやった!」と農家は喜ぶかも知れませんが、そう単純なものではありません。

どういう事かというと「そもそもの値段が高い!」

私は仕事がら、いくつもの見積を取得してきました。見てますと業者は補助金を見越して見積しているのではないかなとさえ思えるのです。

要するに、半額補助金があったとしても、それは、業者に入るのであって、農家には殆ど入らないんじゃないかなと。あくまで推測なんですが。

もし、補助金がなければ、そもそもの値段自体が下がるのではないかという気さえしています。

ここに。私は、風穴を開けたいと思っています。

逆風が吹くかもしれませんが、このまま行くと農家は続けられなくなりますよ。

それくらいヒドイ

伝票通すだけでお金を取る人が多すぎるのではないですか!!

頑張りますよ。

今回は、言いたい放題です。

2019年1月28日リンクURL

いちじくの里


いよいよ2月1日より、favvoクラウドファンドで「神戸いちじくの里づくりプロジェクト」が開始されます。

ページも完成し、あとはオープンを待つばかりです。

本当に美味しい世界のいちじくを、広大な田園の中、ゆったりと味わう事ができる里づくり。

オーナーの皆さまと一緒に作っていければと思っています。


2019年1月27日リンクURL

週末農業塾

週末だけで学べる農業塾。

このコンセプトで農業塾を始めて約7年がたちます。はじめた当初は当社以外に週末農業塾は見当たりませんでしたが、今では、民間から自治体まで、色々なところで週末農業塾なるものを見かけるようになりました。という事はコンセプトは間違っていなかったのかなとも思っています。

何故、私が、「週末だけで学べる」という事に重きを置いたのかと言いますと、私自身の経験からでした。

私は、農家出身ではなく、脱サラして農業関連事業を始め、その後「農業」を始めました。脱サラしたのは2006年の時です。当時は、今ほど就農イベントや支援もなく、情報が限られる中で、農家出身でない人が、農業を始めようと思うと、それこそ、「清水の舞台から飛び降りる」くらいの覚悟を持って、農業大学に行ったり、農家に研修にいったり、するしか方法がありませんでした。

それでも、就農できる保証なんて全くありません。こんな状況の中で、当時会社勤めをしていた私が、農業を始める事などできませんでした。(それでも、あきらめきれずに粘りに粘って、今に繋がっていますが・・・)

「こんなんじゃダメでしょ」というのが正直なところ。

それが、当社の原動力にもなっています。

こんなにハードルが高くては、農家以外、誰も農業できないって。という事です。

だから、とにかく「就農までのハードルを徹底的に下げたい」このように考えての「週末農業塾」を始めました。

週末だけで学べるので、清水の舞台から飛び降りる前に、舞台の下の世界を見ることはできるようになっているかなとは思います。

できるだけリアルに、生の農業をお伝えできればと思います。



2019年1月26日リンクURL

農業に求めれれる能力①

ゼロから農業を始めようかなと考えて、それでは、一体、農業をするにはどんな能力が求められるのかな?というお話です。

会社で農業をするとかは除いて「自分が畑に出て、自分が作物を作って、自分が販売する」といった、いわゆる個人や家族農家の場合です。

まず、作物を作る上で、最も大事なのは「観察力」だと思います。

作物は生き物というお話は、昨日しましたが、生き物なので、日々、様子が変わってきます。元気がないとき、元気すぎるとき、病気や虫、色々あります。

作物に変化が現れるわけですが、変化が大きい時もあれば、わずかしかなくて、分かりにくい時もあります。

大きな変化は誰でも分かりやすいのですが、例え僅かでも作物を育てる上で大事になる変化というものもあります。

それを、見逃さずに、観察する事ができるかどうか?これで、病気や害虫の被害が広がったり、未然に防ぐことができたり、生育や収量が変わってくることもあります。

まずは、なにより「観察力」

愛情を込めて作った作物は美味しいとよく耳にしますが、それは、愛情を込めるとよく「観察する」からなのだと思います。

この意味でいうと「好きな作物を栽培する」というのは、美味しい作物を作る上で、案外、大事な事だったりします。

好きだと自然と愛情が込められますからね。

2019年1月25日リンクURL

作物選びは生き方選び?

少々大げさなタイトルですが、農業と一言で言っても、作る作物によって、作り方も違えば、必要な設備も違えば、売り上げ、経費、そして、ライフスタイルまでもがガラッと変わってきたりするものです。

私は、仕事がら、沢山の農家さんを見てきています。トマト農家、いちご農家、きゅうり農家、いちじく農家、葉物農家、露地野菜農家、有機農家、米農家、肉牛農家、ブルーベリー観光農園農家、植物工場農家・・・。本当に様々です。

例えば、うちもそうですが、いちじく農家は、芽が動き出す5月頃から7月頃と8月~10月の収獲期は忙しいのですが、それ以外は、案外「ヒマ」です。ヒマとう事は収入がないということです。

一方、パイプハウスなどで葉物を周年栽培している農家は、ほぼ毎日、収穫があります。毎日収穫があるという事は、比較的、安定しているとも言えます。

作業の内容も、いちじく農家は、果物の成長に合わせて、作業内容も変わってきますが、葉物農家は、比較的、同じような作業の繰り返しになります。

さて。表題のタイトル。

皆さまには、少し大げさに聞こえるかも知れませんが、「案外、タイトルの通りですよ」と言いたいです。

何故か?

それは、結局、農作物って「生き物だから」つまり「農業は、生き物を育てている」からなんです。

って、分かりにくいですか?

「生き物が主役。人間はサポート役」

だから

「生き物の性質に合わせないといけない」という事。

そう。そろそろ結論

結局「農家は農作物の性質に合わせた生き方になる」ということです。

だから、表題「作物選びは生き方選び」という事になります。

どうしても、人間って、人間中心に物事を考えがちですから、こういう事を言っても中々分かって貰いにくいし、人間中心に農業を考える人もいますが、それにはやはり無理があります。週休2日、定時出社、定時帰社って言われても、作物は関係なく育つし、病気になるし、実も着きます。

植物工場や水耕栽培などで「ある程度」の制御は可能かも知れませんが、それは、あくまで「ある程度」ですし、「ある程度」という認識も大切と思います。だって「主役は生き物」なんですよ。。

農業をしようと考えるのなら、この辺の頭の切り替えは、必要かなと思います。




2019年1月24日リンクURL