2014年7月12日
新規就農週末コースin神戸 第7回講座
「種苗の基礎」
講師はドリームズファームの山口社長
今日の内容レビュー
①F1種と在来種
F1種とは原種に色々な種類の品種を交配させてつくられた種で、市販されているものはほぼ100%F1種ということです。
対して、在来種はあまりみかけないのですが、例えば京野菜などの地場野菜といわれるものは、在来種。
例えば、とまとの品種で有名な「桃太郎」はF1種で色んな種類がありますが、
それぞれに暑さに強いとか病気に強いとかの特徴があります。
ですので、自分で種や苗を選ぶときはまず植える時期を考慮して、その時期に育てやすい特徴をもったものを購入するのが良いということです。
cf.夏収穫のキャベツ→暑さに強いキャベツの種か苗
②種苗会社について
日本の種苗会社の大手はタキイかサカタですが、
地方によって、他にも種苗会社があり、
各種苗会社には、強みとなる野菜の種をもっています。
例えば、タキイ種苗(京都)は、トマトに強い(「桃太郎」はタキイ交配)
ナント種苗(奈良)はスイカに強いなど
③苗か種か
植えるときにまず選択肢を迫られるのが、種から育てるか、苗から育てるかです。
種からの育苗して定植するのと、苗を購入するのと、
それぞれのメリット、デメリットがあります。
その一部を紹介しますと、
種からの育苗はけっこう難しく、手間と時間がかかるが、作物は育苗でその品質の70%が決まる!ので、
プロでこだわりがある農家さんは自分で納得のいく苗を育てる方が多いということです。
対して、苗で購入すると、お金だけでいうと種よりは高くつきますが、病気に強い接ぎ木苗などを選択できる余地があり、
定植してからの病気をある程度避けることができる。
などなどどちらがいいという答えはなく、
自分の経験と腕を見越して選択するのがよいようです。
④発芽率と発芽勢について
発芽率=播種した全数と発芽した数の割合
発芽勢=発芽揃いの歩合・・・温度と湿度管理(温度○○℃で湿度○○%)によって発芽のタイミングを均一にする
発芽に必要不可欠な要素・・・温度、水分
山口さん談 びっくりエピソード~出荷したメロンのなかからもやしが出てきた?!~
ハウス内が28度以上になる季節でしたので、メロン内の種が温度とメロンの中身の水分によって発芽してしまっていた!という
こんなこともあるのですね。
質問タイム
Q1遺伝子組み換えについて教えて下さい
A.遺伝子組み換えによってどのように人体に影響があるのかは現状では科学的に証明されていない。
今の時点では、まだ証明されていないから、避けるのかどうかの選択の問題
Q2F1によって種の多様性が失われているということについて
A.原種や希少種を選択して栽培することも可能だが、経営的に成り立つかを考えての選択が必要。
F1種が100%近く選択されている背景には生産の安定性があるということだろう。
今日は猛暑日。
畑での実習より、涼しい部屋でしっかり勉強できて幸いでした。
来週の実習の天気が気になるところです。
みなさまお疲れさまでした。