温暖化と農業

昨年7月、スコールのような猛烈な雨。8月の猛暑、台風。9月も台風。それからずっと暖かくて、今年の冬もやっぱり暖冬です。

神戸近郊のいちごは例年に比べると数が少ない感じがします。エースクールのいちごも例年に比べると少ないです。

昨夏の猛暑の影響が出ているようです。

そして、これから春になり、暖かくなってきますが、極寒時期がほとんどないので、色々と心配です。きっと作物の生育には影響はでるでしょう。

こういうのが、今後、普通になってくるとも思いますし、益々、気温は高くなるかも知れません。さらには、極端な気候も増えるでしょう。

農業は、作物を育てる業なので、自然の影響は、どうしても受けてしまいますので、こうした気象条件もある程度は想定した上で、農業を行う必要もでてきます。

想定外想定外とばかり言ってても、それで被害を受けて、損失を被るのは自分です。言うよりもまず、できるだけ想定して、自分で対策をしていくしかありません。

厳しい環境にはなってきますが、もしかしたら作物によっては今より適した気候になるのもあるかも知れません。ものは考えようですね。


2019年2月12日リンクURL

農的SNSの活用

今さら感もありますが、新規就農を考えるのならば、SNSは使うべきですね。

もう、作れば売れる時代はとうの昔に終わっていて、自分で売り先を探していくのが当たり前の時代です。

もちろん、市場や大手スーパーに出荷する方法もあり、その場合、そこまで売り先を意識する必要はないかも知れませんが、この場合、価格は「相場」というものに左右されます。

例え、資材費が高騰し、燃料費が高騰し、人件費が高騰したとしても、相場が安ければ、相場の値段になってしまいます。

経費が上がっても、一切の価格に転嫁する事ができないのです。こうなると農業を続けようがありません。

つまり、価格の決定権は農家が持たないとダメで、その為には、売り先、特に直接買って下さるお客様と繋がるしかないのです。

では、どうやってつながるのか?

方法は色々とありますが、SNSはとても有効なツールに間違いありません。

プライベートがどうこう、恥ずかしいがどうこう、言っている場合ではありません。そんな事、言いたいのならば、独立して農業するのは辞めるべきです。(農業で稼ぎたい場合ですが。)

とはいえ、うちもまだまだ十分に使いきれていません。

でも、とにかく毎日アップデートしていますし、今後も継続していきます。

2019年2月11日リンクURL

いちじくの里への思い

4月より、あらたにオーナー制いちじく園「いちじくの里」をオープンします。

2年前まで、いちじくは、普通に収穫して、主にスーパーや直売所に販売をしていました。

それを昨年、いちじく狩り園をオープンし、がらりと変更しました。昨年は、ほとんどがご来園のお客様向けの販売に変わっています。

何故、方向転換をしたかと言いますと、いちじくの本当の力を知って欲しかったからなんです。(笑)。

いちじくが本当に美味しいのは、やっぱり「モギタテ」です。それも、樹の上でギリギリまで熟させて、完熟になったものは最高の味になります。

ところが、スーパーや直売所に出しますと、どうしても輸送時間がかかるので、それを見越して、完熟より半歩程手前で、収穫せざるを得なくなります。これが、どうにも悔しくて、変更致しました。

そして、今度は、オーナー制いちじく園です。

こちらは、お客様に1株オーナーになって頂いて、苗から育てる体験をして頂けるものです。

何故、オーナー制にしようと思ったかと言いますと、自分で育てる体験をしますと、更に、いとおしく、美味しく感じるのです。特にいちじくあのモギタテは、本当に美味しいですから、きっと感動すると思うのです。(私は毎年感動しますので)。

だから、これを是非味わって欲しいなあという事なんです。

そうする事で、いちじくへの誤解?を完全になくしたいなあと。それと、なんていえばいいのでしょうか、この活動を通じて「生産者は生産する人」「お客様はそれを買って食べる人」という関係だけではない関係を作れればなあとも思っています。

いちじくを作る人、買う人ではなくて、いちじく好きが集まって、あ~でもない、こ~でもないと言い合える仲間のような関係。

そんな場所になればいいなあ。


2019年2月8日リンクURL

いちじくの里 工事開始

いちじくの里の農園整備工事を開始しました。

といいましても、昨日の雨で農場が濡れていてトラクターは入れず、メジャーで測量しただけです。

農場の広さ24m×24m、交流スペース18m×30m、設置するいちじくのpotは最大で135pot置ける予定です。

2019年2月7日リンクURL

トマトの様子

1月26日に播種したトマト。播種からおよそ8日、2月4日の様子。70%ほど発芽。温度が低くなりがちな奥側(ハウスの端に近いところ)が少し遅れているようです。20℃設定×8日の状態です。

2019年2月6日リンクURL

農業塾無料説明会のお知らせ

この春より開始の各コースにつきまして、下記の日程で、無料説明会を開催しますので、お知らせいたします。

●2月24日(土)

10時~  いちじくコース第1期

13時~  週末農業塾(一般)12期

15時~  いちごコース第3期

●3月3日(日)

13時~ いちじくコース第1期

●3月16日(土)

13時~ 週末農業塾(一般)12期

15時~ いちごコース第3期

●3月31日(日)

13時~ 週末農業塾(一般)12期

15時~ いちごコース第3期

尚、お申込みは各コースのホームページよりお願いします。

いちじくコース

週末農業塾(一般)

いちごコース

2019年2月5日リンクURL

今年のいちご

今シーズン、近所の直売所やスーパーを見てますと、神戸近郊のいちごが少ないように思います。それも例年に比べると極端に少ないように思えます。

おそらく昨年の夏の暑さ、秋から現在までの気温の高さが影響しているのではないかなとも思います。特に、いちごにとって夏は苗づくりの時期で、大事な時期でもあります。この時期の猛烈な暑さが、苗の生育に影響しているのではないかなと思われます。

苗が少ないとは聞いてましたが、収量にも直撃しているのではないかなと推測します。

エースクールの「いちご」はどうかと言いますと、例年に比べると少し少ないかも知れません。

ただ、幸いなことに、それほど極端な減収というわけでもありません。

さて。これからがいちごの本格シーズンになります。いちご農家は、ここから勝負です。


2019年2月4日リンクURL

農業機械など

昨日、農業塾の講義でした。午前1回、午後1回のダブルヘッダーで、スケジュール上、たまたま2回とも私(田中)の回となり、受講生の皆さまはお疲れ様でした。(笑)

さて。農業を始める時には、どうしても機械や設備が必用になってきます。家庭菜園ならまだしも、業としてやって行こうと思いますと、くわや鋤だけで、できるようなものでもありません。

そこで、どんな機械があって、どのくらいのお金がかかるのか、などのお話もしてみました。以下、講義スライドの一部です。

まあ、今や、お金さえ出せば、なんでもあります。すごい時代ですよね。

見てると、特に男性は、何でも欲しくなってしまいますが、本当にキリがありません。

極力、無駄なものは買わないで済むようにしたいものです。

その為には、準備の段階では、なかなか難しいかも知れませんが、それでも、まずは、目指す「農業」ある程度、見据えておく事も大事になってくるかと思います。

農業機械は、汎用性が低いものが多いのです。作物が変わると対応できなくなるものばかりなのです。

「目指す農業」を見据えるというのは、「生き方そのものを見据える」ということなのかも知れません。

それでは。


2019年2月3日リンクURL

農業のいいところ

「農業のいいところ」というお話です。

まず「生き物を育てることができる」という事。

生き物を育てて、それを生業にする商売は、農業、林業、漁業以外だと、ペット関連の業種くらいでしょうか。

次に「自然の中で、自然相手に仕事ができる」事。

最後に「ゼロから商品(作物)を生み出し、販売するまで、全てを自分で行うことができる」という事。

こんな感じでしょうか。

これらを「いいところ」と感じられる方ならば、農業という職業は適しているのかも知れません。

これらが大前提にあって、次に、どんな農業をしたいのか?目指すのか?という話になるのかなと思います。

明日の農業塾の講義では、どんな農業があるのか?それはどんな特徴があって、ぶっちゃけどのくらいの稼ぎになるのか?などについてもお話をします。


2019年2月1日リンクURL

規模拡大ちょっと待って

農業を始めますと、色々な方面から規模拡大への誘惑がやってきます。

うちは、経営農地1.1haで、そのうち、卒業生が使っているのが30a、いちじくが30a、いちごが5a、トマト2a、残りは育苗ハウスや農業塾の実習で使っています。

従って、実質農業経営で使っているのは40aほどになり、規模的には小規模農家の部類かなと思っています。そして、この農業経営と農業塾経営のミックス経営がうちの特徴です。

さて。

規模拡大の話ですが、「資本力がある企業で農業をする」というような場合を除いては、あまりお勧めしません。

今、世の中を見まわしますと「売り上げ何千万円、何億円」という数字が目に留まり、「売上を上げる事」こそが、あたかも良いことのように称賛される傾向があると感じます。

しかし、個人で就農する場合、本当に大切なのは「自身や家族の幸せ」なハズ。これを忘れないで欲しいと思います。

そして、数字で言えば、「農業で売上を拡大しようとすると、おのずと設備投資して規模拡大する必要がでてきます。」

これが1次産業の農業の特徴なのかも知れません。そうすると資金力が大事になってきます。逆に言えば、資金力があれば、売り上げを拡大する事はそれほどハードルが高いものではありません。

それよりも、難しいのは「利益を上げること」

まずは「小さな規模でも利益を最大化する事」に取り組んで欲しいと思います。その上での規模拡大なら、良いかなと思います。

例えば、いちご。

1パック350円で販売するのと700円で販売するのとを比べて、作るのに必要な経費は、おそらく大きく変わることはないでしょう。

当然、農家によって変わりますが、350円で販売する農家もきっと、一生懸命に作っているハズです。

でも、700円で販売できれば利益は単純に倍になります。

ここが考え方の一つの分岐点かも知れません。

350円での販売を前提に生産しようとするとどうしても規模拡大して量で勝負せざるを得なくなります。

一方、700円での販売を前提とすると、350円の場合の半分の生産量で済むことになります。

どちらの方向に行くか。これが問題。

今回のお話は、個人ならば、まずは後者で勝負すべきじゅやないかなということなんです。

ひとつひとつ丁寧に販売する事を考えて欲しいなと思います。

今の時代。日本は益々少子高齢化で人口は減る一方です。そして大量生産型の農業は資本力のある企業にはかないません。まして輸出とかは個人では勝負にならないかも知れません。

だから個人の方には絶対「利益追求型の農業」をお勧めします。

2019年1月31日リンクURL