農家と農業経営者

おはようございます。エースクール田中です。
スクールでは、度々、お話をしている題材ですが、少し思うところがあって、ブログにもアップしておきます。

「A農家」になりたいのか?
「B農業経営者」になりたいのか?

そのまえに、
「A農家」と「B農業経営者」何が違うのですか?

では、
「A大工」と「B工務店の社長」
「Aシェフ」と「Bレストランの社長」
「Aタクシードライバー」と「Bタクシー会社の社長」

何が違いますか?
もちろん、A=Bの方も数多くいます。

ただ、「経営」という観点から言うと、
A≠B、B≠C
「労働」と「経営」の分離
「経営」と「資本C」の分離
が進む程、活動の範囲が広がるのは間違いないでしょう。

さて。
冒頭の問いかけの答えですが、
ずばり「立ち位置が違います」

つまり、Aの人は経営資本(人・もの・お金)を使って、収益をあげて行くのが仕事の人。いわゆる「経営者」ですよね。
対してBの人は、経営資本(人)そのものです。

なので、A=Bが出来る人は、自分自身を経営資本の「人」として、客観的に見れる方でなければなりません。
これは相当に難しいです。

かくいう私も農業法人(エースクール)の代表をしてますので、いちおう経営者の端くれです。
自分が農場現場に入る時は、自分を「人」として見ようと頑張ってます。
でも、実際は、出来てません。
自分は自分ですし、まして自分の経費を勘定する事は、相当な難しさです。
難しいですが、もしA=Bならば、この視点を忘れると、たちまち収益が成り立たなくなる危険性大です。

なので、私は、今はなるべくBに徹しようとしてます。
このことは、当社のメンバーには伝えています。
これは、共に働くメンバーの利益にも、きっとつながります。

そして、ここで、決して勘違いしてはいけないのが、これは、ただ単に、役割分担(=分離)をしているだけという事です。
「AはAの仕事をする人」、「BはBの仕事をする人」。これだけです。

ではでは。
これから新規就農を目指すみなさんへ。

あらためて
「A農家」になりたいのか
「B農業経営者」になりたいのか

実は、答えは決まってて、(このブログの記事の定義で言うと)A単独はあり得ないのですよね。
Aの場合は、A=Bが必須という事です。

なので、エースクールの農業塾では、
Bの視点を持って、農業に取り組んで頂けるように、講義などを進めています(いきます)。

なぜなら、本当に新規就農で生計を立てようと考えた時、
少なくともBの視点が無いと、無理なんですよね。
だって、代々高度な技術を持つAもしくはBと、競争していかなければならないのですから。

新規就農者は、農業という土俵では、圧倒的な弱者なんです。
弱者が生き残って行こうと考えた時、自分は「人」です~っというのでは、とても成り立たないのですよね。
(土俵をずらすという視点も大事ですが。これは、またおいおい)

当たり前のように思えるのですが、どうも、農業界では、この視点がまだまだ少ないように感じます。
行政側も、どうもゴチャマゼにして曖昧になっています。

行政窓口に相談にいくと、
必ず「何を作りたいの」って聞かれますよね。
これって、経営の一つの手段に過ぎないのですけどね。