第14回講義 農業経営の実際2

平成24年12月22日(土)に第14回農業スクール講義が行われました。

今回はなんと豊岡から農業生産法人㈱Teamsさんがわざわざ神戸まで足を運んでいただきました。

同じ兵庫県ですが北と南なので行くのに3時間はかかります。

座談交流会という形で意見を交換しあって交流を深め合いました。

12月初めに視察でお邪魔したときは

まだ雪が降る前だったのですが、そのあとすぐに白く染まったようです。

雪のふる地域での農業はどういうものなのでしょうか?
(神戸市はまったく雪が降らないんです)

Teamsさんの育てている野菜のおおきな特徴は

「無農薬栽培」で「有機栽培」だそうで

とくに無農薬には徹底しているそうです。

虫との戦いは特に難儀するそうです。

一番印象に残ったのがモノの売り方で

単純に野菜を作って売るのではなく

野菜を作る過程から売るところまでパッケージ化して売るということです。

Teamsさんはフェイスブックで画像つきで逐一作業報告を公開していて

それが消費者の関心を高めて付加価値をつけています。

また売るときも実際に現場に赴いて直に消費者に触れ合うこともしています。

私は、この話を聞いて

「モノ」を売る時代は終わり、

栽培から販売まで川上から川下まですべて含んだ一連の

「コト」を売る時代が始まった

のではないでしょうか…(と独りごちる)

Teamsさん、貴重な講義本当にありがとうございます。

【了】黒木 大将

第16回 農場実習レポート

12月9日(日)、新規就農週末コース神戸、第16回の農場実習を開催しました。
当日、冷え込みが厳しく、露地での作業は大変だな~と思ってたら、ハウス内での実習となりました。
良かったですね~。

今回は、ハウス内で、トマトの定植作業と支柱設置作業を行いました。

まずは、マルチに穴をあけます。
これが地味にキツイのです・・・。

トマトの花芽を手前(通路側)に向けて、定植していきます。これによりトマトへの日当たり向上だけではなく、作業性の向上もはかれます。だけど見分けが難しかったですね。

定植作業。

完成!

今度は支柱立て。これも本数が多く大変な作業です。

きれいに立てる事ができました!?中々まっすぐ立てるのは難しいのです。

作業そのものは慣れれば出来るようになりますが、作業スピードやバラつきを少なくしようとすると熟練が必要になります。
加えて規模が大きい場合、肉体的にもかなりキツイものとなります。

こういった地道な作業があって、初めて「おいしいトマト」が出来るという事!
店頭では、こんな作業想像できませんよね。

お疲れ様でした。

田中康晃

明石市魚住の住吉神社より。

第12回講義 農業経営計画の作り方

12月6日(土)、新規就農週末コース神戸、第12回講義「農業経営計画の作り方」を行いました。
本日の講師は私(田中)が担当させて頂きました。

経営計画=営農計画の事です。

手順としては、
自分の作りたい作物について、品目別に作付計画を並べる。
  ↓
自分の農場に合わせて、農場別の作付計画を作る。
  ↓
必要となる機械設備をあげる。減価償却高を算出する。
  ↓
指標や実習での経験などに基づき、売上、経営費、労働時間を積み上げる。
  ↓
労働時間に基づき、人員を算出する。
  ↓
初年度~5年目まで、年度ごとに収支計算を行う。
  ↓
10カ年収支計画を作成する。

おおよそこのような流れになると思います。
と言われると難しそう・・・って、敬遠しがちになりますが、
講義でもお話しましたが、あまり細かい事は気にしないで進めるのが良いかも知れません。

数字は大事ですが、数字ばかり追いかける農業というのも、人によっては楽しくないですよね(笑)。
数字好きな人はどんどん詰めて下さい。

個人であれ会社であれ、独立して農業を始めるという事は「経営者」になるという事ではないでしょうか。
大きな流れ、方向性は確認しつつ、皆さんが最初に「農業を始めてみたい」と考えるようになった、その気持ちを一番大事にして下さいね。

田中康晃

第15回 農場実習レポート(チームス様視察@豊岡)

12月2日(日)、新規就農週末コース神戸、第15回農場実習を行いました。
今回は、エースクール同様に兵庫県新規就農促進モデルファームとして農業研修を行っておられるチームス様の農場へ視察に行かせて頂きました。
豊岡です。

場所が変われば、農業のスタイルもずいぶん変わるものです。まずは、こちらニンジン畑。良く太った大きなニンジン。

なんと。スキー場の中に畑が・・・

これから広大な耕作放棄農地を開墾するとの事です。スケールがすごい。。

こちらはハウス。マスタードリーフや一部試験的にトマトも栽培されてました。無農薬栽培です。

最後に集合写真。今回、残念ながら欠席となった受講生もいましたが・・・・。またの機会に。

それにしても規模感が全く違います。
神戸と豊岡、同じ兵庫県なのですが、**aレベルに対し、**haです。

気候も違います。
積雪があるところとないところ。

今回、受講生のみならず、運営スタッフ側としても物凄く勉強になりました。
今度は、22日、チームス様が、エースクールにお越し頂きます。

こういう交流って、すごく楽しいです。

チームス様
ありがとうございました。
また、今後とも、宜しくお願いします。

田中康晃

浅川さんの華麗な手さばき@道の駅

第14回 農場実習レポート

11月25日(日)、新規就農週末コース神戸、第14回農場実習を開催しました。
先の週からの雨で、実習農場の土の状態は、あまり良くなかったのですが、ホウレンソウが待ったなしの状態でしたので、収穫を強行しました。

収穫はこれで3回目かな?実習生も慣れたものです。あっという間に収穫終了。

洗い。

束ね。すごいもので、何回か作業をしているとスピードが格段に上がります、思っていたよりも早く終了しました。今回は135束。直売所に出荷します。

こちらは茎ブロッコリ。こちらも収穫しました。

実習生もエースクールもだんだんと手つきが良くなってきました。
又、どのくらいの作業量、作業時間、収益性・・・など、だいぶ実感できるようになってきたのではないでしょうか?

こういうのは、いくら講義を受けても、本を読んでも、イメージこそ出来ても、実感レベルにはなりません。
「経験に勝るものなし!」

田中康晃

第13回 農場実習レポート

11月24日(土)、新規就農週末コース神戸、第13回農場実習を開催しました。
先の週の雨により、実習農場がぬかるんでいたため、今回は、ドリームズファーム様のトマトハウス内にて、トマトの定植および摘葉作業などを行いました。

こちら、定植前のトマトの苗。

マルチの穴から、手を差し伸べて土を掘り、やさしく定植していきます。

こちら実習生の定植作業の様子。これが、見ている以上にハード作業。腰や指が痛くなってきます。

午後からは、トマトの葉かきとわき芽取り作業。
日当たりや風通しを良くするため、一番下の花が付いているところより下の3つの茎葉を残して、下すべての茎葉を取り除きます。

茎の間に出てくる「わき芽」はすべて取り除きます。これで主茎の成長を促します。

この作業も中腰作業の連続で、見た目以上にハードです。
農家さんのありがたみを感じます。

でも、トマトの香りがいいのですよね。
こんな環境で、運動!?してたら、きっと元気になりますよ。

田中康晃

第11回講義 農業の現状

更新が遅れすみません。
11月23日(金)、新規就農週末コース神戸、講義経営編「農業の現状」を開催しました。

講師は私(田中)が少しと、兵庫県農業経営課の赤堀様、石古様にお話頂きました。

まず、私の方からは、「農業の現状」という事で、農林水産省が発行している統計データをもとに、新規就農者の動向、困っている事、研修の内容有無など、お話をさせて頂きました。

やはり気になるのは、「お金」なんですね。
この話になると、受講生の目が「キラッ」と輝くのが分かります(笑)。

これまでも、「新規就農事例」の講義の中で、実際の様子について、今年の新規就農の方にお話しを頂いてきましたので、薄々と感じておられたと思いますが、統計でもその厳しさははっきり見えます。

農業所得200万円のラインをクリアする事。
新規就農者にとっては、これがひとつの目安でしょうね。

次に後半は兵庫県農業経営課の赤堀様より、「兵庫県の現状」についてお話を頂きました。
今年から始まった青年就農給付金制度、これに関連する「人と農地プラン」などなど、結構、新規就農者に対する支援策は沢山あります。

そんな中で、印象に残ったのは「補助金はあてにしない。頼らないで下さい」というお話。
確かに。その通りと思います。

農業は、ほんと様々な補助金、助成金制度があり、支援が充実しているように思えます。
使えるものは、どんどん使えばいいと思います。

でも、決して、制度に合わせて無理な投資をしたり、雇用したりしないように注意が必要なのではないでしょうか?補助金や助成金はいつ無くなってもおかしくないので、無くても回るようにリスク回避しておく事はすごく大事かなと。

とはいえ、やはり気になりますよね(笑)。
青年就農給付金にしても、始まったものですので、ある程度、継続して頂ける事を望みます。

赤堀様、石古様、ありがとうございました。
これからも宜しくお願いします。

田中康晃

第12回 農場実習レポート

11月18日(日)、新規就農週末コース神戸、第12回農場実習を行いました。
今回は、いよいよ、実習農場で栽培したホウレンソウの初収穫でした。

まずはいつものように本日の実習の説明。収穫方法の説明。今回は、農場で根を切り落とします。

各自の担当区画に入り、それぞれ収穫です。

今回、一人2ケースづつ収穫しました。

すべて水洗いします。これが結構大変・・。

こんな感じに束にします。

重さは約320g。

実習生の作業の様子。

完成!

今回は、こんな感じで計120束収穫しました。
その後、袋に詰めて出荷しました~。

お土産のニンジン!!奇麗です。

研修後、エースクールの方で、ウィークデイに約290束、収穫ました。
もうホウレンソウが待ったなしなんです。
でも、まだ、畑には、半分くらい残ってますので、次回も頑張りましょう!

田中康晃

第10回講義 新規就農事例2

11月17日(土)、新規就農週末コース神戸、第10回講義を行いました。
今回の講師は、今年、神戸で就農された「浅田さん」です。

現在、58歳。脱サラ就農です。
あふれる研究心と行動力に、ただただ脱帽です。
講義資料にはありませんでしたが、「浅田さん」に見せて頂いた「就農計画」の緻密さは、驚きのレベルです。

さて。
講義の内容ですが、就農に至るまでの経緯、ステップ、就農後から現在までの状況などなど。
決算!?も含め、ご説明頂きました。

そんな中で、個人的に身にしみたのは、「新規就農者は無い無い尽くし」というお話。

ほんと、そうなんです。
普通!?の農家さんでしたら、普通にあるものが、新規就農者には、全く「ない」のです。クワも無ければ、水もない、トイレもない、作業場もない、トラクターなんて当然ありません。「ない」ものをあげればきりがありません。そんな中でも、消費者は、新規就農者でもなんでも、当然、同じ水準を求めます・・・・。

なので、新規就農者は、まず、ベースが無いハンデを克服しなければなりません。だけど、一方で、農業一筋の農家さんだとしたら、想像もできないような「発想」ができるかも知れません。違った経験、知識、人脈もあるかもしれません。

あと、もうひとつ、感じたのは、「仲間」の重要性。農業以外でももちろん大事なのですが、農業は殊更、一人では何もできません。一緒に考え、一緒に行動して貰えるような「仲間」が大事・・というか「必須」だなと、つくづく感じました。

そのためにも、とにかく、まずは「一生懸命にやる」という事かな・・・。

私も今年、会社(エースクール)ではありますが、新規就農をした端くれです。そんな時、浅田さん、浅川さんがいて、もちろんドリームズファームの皆さんもいます。どれだけ心強いか分かりません。

きっと、こういう「繋がり」を、みんなが、次に繋げて行く事が大事なんだろうね。
エースクールも「一生懸命にやり」ます。

田中康晃

第9回講義 新規就農事例1

11月10日(土)、新規就農週末コース神戸、第9回講義を行いました。
今回の講師は、今年、神戸で就農された「浅川さん」です。

今年就農されたばかりのまさに「リアル新規就農者」。
受講生の皆さんにとって、とても身近に感じる事ができるのではないでしょうか?

さて。
講義の内容ですが、まず、「何故、農業を志したのか?」というところから、「市民農園でのシミレーション」→「駅前講座」→「ドリームズファームでの研修」→「認定・農地取得」→「就農!」と、就農までのステップを、解説頂きました。

その後、就農後、「実際はどうなの?」というお話。
そのままお話頂いたのですが、皆さんは、どのように感じましたでしょうか?

正直、「厳しさ」も感じたと思います。
でも、何より、浅川さんの、「この明るさ」は、どこからくるのでしょう。
とても楽しく、親しみやすく、頼りになる「先輩」です。

お話を聞いてて、「何をするにも目的を持って取り組んでいる」なあ、という事が凄く印象に残りました。
たぶん、「ここ」が凄く大事で、「これ」が出来るかできないかで、きっと、数年後、凄い差になるのだろうなあと。

本日はありがとうございました。

田中康晃