いちごの手入れ

今年3年目を迎えるエースクールのいちご。
今年は9月下旬に定植しました。

定植後1か月を過ぎると花が開花し、ハウスの中に授粉のための蜂を入れます。
そして、この頃にはいちごの株はしっかりと根を下ろし、すくすくと大きくなってきます。

このタイミングで、手入れが必要になります。
(これはあくまで、エースクールの場合で、いちごの管理や作業時期などは農家さん毎に個性があります)

そして毎年、この時期の手入れで驚くのですが、
葉っぱやわき芽などが増えて丸々としていた株が、手入れ後はえらく貧相になってしまいます。

 

手入れ前
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手入れ後

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写真は「さちのか」という品種のいちごで、
この品種はわき芽がたくさん出るのが特徴の一つ。
わき芽をそのままにしておくと、一つの株のまわりに子株がたくさんついている状態になります。
このわき芽、子株と表現しましたが、放置すると主株と同じぐらい大きくなり、
果ては、摘み取ることが困難になります。
そうなってしまうと、葉などが密集しているため、風通しが悪くなり病気にかかりやすく、
農薬をまいても、中まで薬剤がいきわたりにくくなります。
また、通常手入れををするのに一株の手入れでいいところが、ついている数ぶんの手間がかかります。

それでも、一株にたくさんの子株がついている状態の方がたくさんの実が取れるようになるのではいか。
という質問もあるのですが、
大きな一株と、その一株の栄養をたくさんのわき芽が大きくなった子株と分け合っている状態とでは、
後者の方が実を美味しく作るためににかけられる体力を分散しなければならないため、
前者の大きな一株から採れる実と比べると小ぶりになります。

いちご栽培では、土耕栽培でも高設栽培でも植える感覚を通常より狭くして、
植え付け株数を増やしたとしても、
最終的な収量は変わらないといわれています。

このような理由から、一つの小さなわき芽が大きくなってしまうまでに、早め早めにこれを取り除いてやることが必要なのです。

いちごは品種によって、実にはもちろんそれぞれ特徴があるのですが、
その実をつける株自体もそれぞれ個性的で、
その個性をしっかりつかんで、管理していくことが美味しい実をたくさん採るために必要になってきます。

 

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2017年11月15日リンクURL

自分は農業に向いているのかな?と思う方へ

エースクールではこれまで5年9期にわたり就農を考える方に向けた農業塾の運営をしてきました。加えて私(田中)は、11年にわたり新規就農、新規参入を考える方々に対して、微力ながらサポートをさせて頂いてきました。

これまで、就農を考える方で、私が直接お会いした人の数は、正確には数えてませんが数百人にはなっていると思います。

そんな中で「この人は農業ばっちり大丈夫!!」と思える方の特徴も分かってきましたので少しお話したいと思います。不安に思われる方、少しでも参考になりましたら幸いです。

 

ところで冒頭の「農業に向いているかどうか?」という事の意味を少し解説しておきますと、端的には「農業で幸せになれるかどうか?」という事になります。

「幸せ」の定義は、人それぞれ異なりますが、ここでは「心ゆたかに」「楽しく」過ごす事ができる状態を「幸せ」と定義しておきたいと思います。その為には、当然ながらその生活を維持する為の「お金」も必要になります。ただ、第一義が「お金」ではありません。

又、個人で就農する場合と企業として農業参入する場合(社長になって農業する場合)とでは、やはり求められる要素も大きく異なります。今回は、個人で就農する場合のお話をしてみます。

個人で就農する場合、当然ながら畑での農作業も自分が行う事になります。この場合、やはり「自分自身で良質な作物を育てる事ができるかどうか?」という事は、農業を続けていく上で、大切な要素になります。

いいかえれば、農業で幸せになる為には「良質な作物を育てる事ができる」という事が前提にあって、さらに、農業に向いている人というのは「良質な作物を育てる事が楽しくて、心ゆたかに感じる事ができる人」という事になりそうです。

では、ここからが本題になりますが、上記のような人の特徴とはどんなものかお話してみたいと思います。

 

1.子供の頃から生き物を育てるのが好きだった人

2.草木花、山、川など自然の中にいる事が好きな人

3.やさしい人

4.バランス感覚がある人

 

こんな風に感じます。

1と2は想像つくかも知れませんが、3の「やさしい人」というのは、ちょっと漠然としてて分かりにくいですかね。補足しますと、何に対しても「愛情を持って接する事ができる人」というほどの意味です。

これが、農業とどう繋がるかといいますと、「良質な作物を育てる」為には、作物の細かな変化に気が付かなければなりません。そして、細かな変化に気が付く為には、「日ごろの観察」が何よりも大切になります。

やさしい人は、作物に対しても「元気かな?」「大丈夫かな?」といつも気になるので、言われなくても観察をしています。作物と話をするように観察をしています。それが楽しいのです。

4の「バランス感覚」は、幸せな状態を継続していく為には、お金とのバランスも大事という事です。作物との話しに没頭するあまり人との話が粗末になったり、商売を度外視したりなどは、バランスが良いとは言えません。

 

このように感じます。

あくまで私見ですのでご参考になりましたら・・・。

 

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2017年11月14日リンクURL

いちごハウスの内張りフィルム

先日、いちごハウスに内張りフィルムを張りました。フィルムは0.75mm厚の農業用ビニールで、うちでは経費節減の為、3m×100m巻きの原反をインターネットで購入しています。

地元の種苗店やJAでカットしたものを購入した場合、軽く2倍位は差があるかなと思います。2倍じゃ効かないかも知れません。びっくり価格になりますから。。。

今回、内張りをする目的は保温です。いちごは地温が5度を下回る日が続くと休眠してしまうと言われています。

エースクールのいちごハウスには加温施設はありません。いちごの無加温栽培なんです。「超ローコスト光熱費ゼロ栽培」です。真冬になると軽く外気温はマイナスになりますので、ハウス内に内張りをして、さらに昼間の日光でハウス内を温めて夜温の低下をなるべく防ぐようにしています。又、ビニールはPOフィルムと比べると、保温性がたかく、保温目的の内張りに適しています。

加えて土耕の高畝栽培+マルチのおかげで地温は下がりにくくなっています。これが高設栽培であれば無加温は、たぶん無理でしょうね。土の力、太陽の力は偉大です。

 

このような工夫で真冬でも休眠せずに栽培ができています。

さて。

内張りは天井とサイドに張ります。こんな感じです。


 

 

 

 

 

 

 

 

ここに太陽の光が差し込むと神々しい?感じになります。

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2017年11月13日リンクURL

淡路いちご視察ツアー

本日、いちご栽培経営実践コースにて、淡路のいちご農家へ視察に行ってきました。生徒さんたちには、普段、エースクールの農場は見て頂いてますが、エースクールだけではなく他の色々な農家さんを見て頂いて、良いと思うところはドンドン吸収していって頂ければなあと思っています。

春のいちご狩りを含めると視察は今回で2回目となりますが、エースクールも含め、それぞれが、それぞれの方法で工夫し、栽培を行っている事が分かります。

今回の農家さんは、就農3年目の「星の果実園」様。洲本市相原地区でエースクールと同じくハウス土耕栽培を行われています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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同じ「ハウス土耕栽培」といっても、随所に違いもあり、又、私は何度か視察させて頂いておりますが、その度毎に、関心させられる事がたくさんあり、非常に勉強になります。

まずは、以前からお聞きしていました紫外線ランプ「タフナレイ」の実機を見させて頂く事ができました。このランプは夜間に2時間ほど照射する事で病害虫被害を大幅に減らす事ができるとの事です。メーカーの話ではなく実際に使用されてのお話なのでとても納得がいきました。シーズン中ダニとうどん粉病の発生は殆ど抑えられたという事です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、お話の中で、「水やり」に工夫されている様子がうかがえました。通常は潅水チューブで畝上のみ潅水しますが、ここの農園では、さらに一工夫がありました。(ここはブログでは控えます)

「水やり」ひとつにしても、やみくもに行うのではなく、一つずつ「理由考えて、仮説を立て、それを実行して、検証する」この繰り返しをされているように感じました。それを支えているのはとにかく「観察力」。「観察力」はどこから来るのかと言えば、きっと生き物に対する「愛情」なのだと思います。

お話の随所に愛情も感じ、私も嬉しくなりました。

今回も勉強になりました。ありがとうございました。

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ゼロから農業が学べる農業塾

合同会社エースクール

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2017年11月12日リンクURL

台風3号後のいちご苗床

台風3号ですこしはらはらしましたが、

風それほどでもなく、

苗床は開けっ放しでサイドを少しおろしたぐらいで大丈夫でした。

今のところ苗は健康的に育っています。

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遅れて6月に鉢上げしたあきひめです。

植え付け後2-3週間ぐらいは小さいままでこれまた冷や冷やしましたが、7月に入りぐっと成長し始め、いいランナーも出してきてます。

 

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全体的にはこんな感じ。

 

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これからポットに受けていく苗たちがぞくぞくと待機中です。

今この苗床で気にすべきは、病害虫と親株の追肥のタイミングです。

2017年7月7日リンクURL