農業は儲からないからやめておきなさいと言われたら

タイトルの言葉。少しきつい言葉ですが、言われた事がある方もいらっしゃるかも知れません。私自身、「何度言われたか」「何度言われている現場に遭遇したか」分からない位沢山言われてきました。

これから農業を始めようとしたときに、この言葉を言われると、たいていの人は、精神的にダメージを受けます。そして、「やっぱり農業は辞めようかな」「辞めた方がいいかな」と農業に向けての決意が揺らぎます。

 

ただ、ちょっと待って下さいね。

 

それは「誰に言われましたか?」
家族ですか?友人ですか?役所の人ですか?それとも農家さんですか?

情報は、まず「誰から」得たのかという事が大事で、まず「その人」は本当に農業を「分かって」話をしているのかどうかという事。
「分かる」というのは本を読んで知っているという事ではなく「自分で経験して知っている」というレベルです。このレベルまで行って初めて本当に「分かる」ものだと思います。

少なくとも農業をした事がない、あるいは、していない人は、本当の意味では分かりません。

私自身、農業を始める前にも農業コンサルティングの仕事をしていましたが、農業を始めてから、より一層、以前の自分は農業を知らなかったのだなという事を感じています。今もまだまだ知らない事だらけですが、少なくとも私が経験している事は、そのまま話をする事ができます。

 

次に情報の深さです。
「何を作って、どこに売って、いくら売り上げがあがって、いくら経費がかかったと言ってましたか?そんな話はありましたか?」

この程度の具体的な情報がなければ、儲かるもなにもさっぱり分かりません。またそもそも「儲かると感じるか感じないかは、その人の私見」にすぎません。同じ金額でも人によって感じ方は違います。

そして、そもそも「農業」って一括りにできるものでもありません。作物が違えば経営も異なりますし、同じ作物でも栽培方法が違えば異なります。環境にもよります。

 

ですので、結論ですが、タイトルの言葉を聞いても「がっかりもせず、歓喜もする必要もありません」。ただ、「これだけでは、何も判断できないという事が分かる」という事になります。

そう言って下さった方々の愛情を感じていれば十分かと思います。

 

農業を始める為の準備。
まずは、このような視点で「知る」活動を進めてみてはいかがでしょうか。

 

記:田中康晃

 

ゼロから学べる週末農業学校
エースクールhttp://aschool.info

2017年11月17日リンクURL